バズる準備
今週のお題「わたしのインターネット歴」
この記事書いた段階で今週のお題に気づいた。渡りに船なのでボタンを押した。
いつか文章を以て世界遍く名を馳せたい。
そういう思いでこのブログを開設した。
「各都道府県に最低1人、俺の名を知らしめたい。全国統一したい。」
これは小学生の頃の夢である。
最低一人は、というのが謙虚で良いと思う。
ただしこれはもう野心に他ならないから、「将来の夢」作文には絶対に書けなかったが。
世界遍く名を馳せる。
そのためには地道な広報活動が不可欠である。
この論理で「賢者の日記」には「インスタグラム広報支部」が存在する。
思い出をシェア「させる」の精神がインスタグラムの精神に対する政治的挑戦に他ならないからいつアカウント凍結の憂き目を見るかわからない。
インスタ広報支部は主力艦隊「きょうの名文」というコーナーを保有している。
というかそれしか持ち合わせていない。
インスタ広報として何ができるか、一時間ほど皺々の脳みそを両手で絞ってみたところ、「きょうの名文」という単語がジワリと滲み出てきた他に何も出てこんかった。
見よこの底知れぬ企画力!
「きょうの名文」は文学的名文を紹介するコーナーである。
俺が毎晩本を覗いて「これは」と思う文章をピックアップして、それっぽい画像を付してあっぷろーどする。
つまり名だたる文豪のふんどしをとっかえひっかえして相撲を取ろうという魂胆だ。
そもそも「きょうの名文」自体N〇Kの教育番組から拝借したコーナーである。
徹頭徹尾丸パクリと言って良い。
我がブログの主人たる俺は、この企画がバズるのを手ぐすね引いて待っているのである。面の皮が厚いにも程がある。
俺は俺の発想力が怖いぜ!
読者諸賢はこの邪(よこしま)な計画に嫌悪するかもしれない。
他人の叡智を横流しし何がバズだ下らない、そう宣う者もいるかもしれない。
満腔の怒りを拳へ集中し、入念に鍛えたる筋肉をビシビシ言わせ始めた者もいるかもしれない。
だが、待たれい。
憤るのも良いが、そういった正義感をお持ちの諸賢については俺の話を聞いてからでも遅くないはずだ。
この卑劣な行いについて弁明させてほしい。
ここに大海を前にした1匹のヤドカリがいる。
ヤドカリの家は山のように大きく、鹿の角のように雄々しい。
磨き上げられた家は、どの角度から眺めようと艶々と輝き、一分の欠点も存在しない。
これが「きょうの名文」であると考えてほしい。
ヤドカリの家から主が出てきた。
だが様子がどうも変だ。ハサミちっくな部位もないし甲殻類的堅甲さも皆無だ。寧ろぷりぷりしている。
よく見るとヤドカリではなく恐ろしく大きな南米カタツムリである。
やけに湿気の多そうな南米カタツムリは、今まさに眼前の大海でうねる、怪物的大波を乗りこなさんとのそのそ進軍している。
これが「インスタ支部」である。
さらによく見ると、この南米カタツムリの左目、厭に大きい。
病気した悪魔の角のようにムクムク肥大しているではないか。
実のところ南米カタツムリの左目は、かの悪名高き寄生虫ロイコクロリディウムが巣食っているのである。
これが「賢者の日記」である。
↓ロイコクロリディウムの愛らしい御姿(賢者的文化的要素)
この愛らしくも非力な存在である。
さて、諸賢に問いたい。
諸賢はこの小動物に怒りと拳をぶつけようというのか。
ちなみに、恥を忍んで言うが、「賢者の日記」では「きょうの名文」を取り扱う予定は今のところない。
これは「きょうの名文」で興味を持って来た訪問者(名文渇望者)に対して、サービス精神的にあんまりにもあんまりである。
「あんまりだぁぁぁ」
「ひどい!」
名文渇望者の嘆きがこだまする。
ヤドカリの家から南米カタツムリが出てきて、悪魔じみた病気の角がムクムク伸びたかと思うと、彼らに一喝した。
黙れぇ!
特に特許庁はやめて。