賢者の日記

賢者の日記

齢20と幾年、穴から出られなくなった山椒魚が思った事を記す。

猫のまばたき

猫を飼っておられる方ならご存知だろうが、彼らは飼い主と目が合ったとき、ゆっくり瞬きをする習性がある。 気になって調べたところ、猫の目は構造上乾きにくく、あまり瞬きをする必要はないのだそうで、敢えてこれをするのはいわゆる愛情表現というヤツらし…

1月26日のブルース

朝、眼鏡を洗浄してもらう為だけに眼鏡市場に行く。店員さんが朝から相変わらずの色気を振りまいていた。あの妙な色気の答えは香水にあると個人的には睨んでいる。 帰り道、お爺さまから話しかけられる。「暖冬だから近く地震が来る」と歯のない口から熱弁を…

パトロネ(藤野可織)がすき。

「ねぇねぇ、山椒魚くんはどんな女の子が好きなの???」 「えー、ぼく、わかんないや」 「なんでー?隠さなくてもいいじゃん!」 「うーん、じゃ誰にも言わないでね」 「約束する!」 「えーっとぉ、美人で背が高くて、周囲に違和を感じてて浮いてて、本人…

夜のねざめ

学生のとき一度だけ、夜の店に行った。 夜の店と言っても京都は規制が厳しいらしく、一般に想像されるようなのは余り多くない(まぁ無いとも聞かないのだが)。私の行った店も、お酒を飲んでちょいちょいっと遊ぶような、社会見学程度のものだった。 私はそ…

1月19日のブルース

人手が足りないという話を耳にする。辞める分はどんどん辞めて、一方で入ってくる人間が居ない。 足りない分は外国人を横滑りさせるとして、ではその浮いた人間はどこへ行ったのかというと、海外のホワイト企業へ出たり理想の条件を求めて職安に出たり、怖く…

1月18日のブルース

部屋の中で発見された筆者(の一部)のスケッチ この数年来、筆者は彼らの始末に手を焼いている。反抗期を迎えた中学生よろしく、隙を見ては脱走を図り、しかも、あと先考えないものだから行き着くあてもなく、後日「おやおや」と思いがけない場所から顔を覗…

エンジェル

先天的にお姉ちゃん子気質を持つ私はお姉ちゃん研究家という履歴書には書けない肩書を持つ。生き別れた姉を名乗る女性が現れてくれまいかと、眠れぬ夜をいくつ越してきたか知れない。 もはや多くは望まない。高望みはしない。 背が高く、深い知性と底知れぬ…

新年(遅い)

年が明けている実感がわかない。1月は休みが少ないからだろうか。 巷では成人式を迎えた若者が風習に従い狼藉に及んだという話である。 実を言うと、個人的には新年に引き続き成人式も今年は無かったのではないかと睨んでいる。晴れ着姿も1人しか見なかった…

或る研究者の手記

生物多様性という言葉をご存知か。 地球上の生物は様々な生態系を有し、それぞれが得意とする環境を持つ。地球上の環境はいつ変化するか分からないが、この生物多様性がはたらいている内は、その中から選択された次の種が繁栄する。だから現時点での有利不利…

1月13日のブルース

結局寝て終わった! どこにも出かけず、炬燵と布団を往復して、妙な夢ばかり見て、偶に目覚めれば本を広げたりして、気付けば辺りが暗くなっていた。そして明日に向けこれから本式に眠ることになるのである。 書いている小説は結末付近で難航して手を出すに…

1月12日のブルース

今日は待ちに待った三連休の中日である。 何をするということもない。主義主張個人的趣向その他諸々、生活における主軸を持たない私は一たび仕事という外圧から解放されるやいなや、他にすることがなくなってしまうのである。 そういえば父もそうだった。父…

2020年1月11日のブルース

去る1月3日、NHK総合で「夜は短し歩けよ乙女」が放送された。11時半スタートという、よい子は寝てしまうので視聴し難い時間であるが、山椒魚は悪い子(ども部屋おじさん)なので、起きていた。我が家にレコーダーが存在しないためにリアルタイムで視聴す…

1月9日のブルース

今日は休みだった。 久しぶりに地雷を踏んだ翌日がすぐ休みということで、会社の方が少し心配な気がする。変に体が疲れているので長い連勤だった気がするが、考えてみれば正月休みが2日まであった訳で、すると一週間も働いていないのは不思議だ。やはり三時…

1月8日のブルース

今日の朝刊に私についての記事が躍り出た。各紙一様にこの事件を取り上げたが、この場では、就中雄弁だった次の二紙を取り上げることにする。 【悲報】山椒魚氏、失墜する A社に勤める山椒魚氏(28)が、社長勅命の仕事四件のうち三件で失敗、社長の強い叱責…

ねこ

昨日は仕事だった。今日も仕事がんばった。明日も仕事である。明後日は月曜日だ。 社会人を数年やって、いまや大学時代より長く社会を経験している。休みの少なさにはある程度勤めれば慣れると思っていたが、それでもたまに、長期休暇が欲しくなったりする。…

ダウナー

仕事から帰ってきて、amazon primeで松本人志のドキュメンタルを視聴する。ネクタイを緩めながら、下品に呵々大笑する。新年早々、糞みてーな1日だ。 日常は糞だが、ドキュメンタルは面白い。シーズンでいえば1、2、3、5が好きだ。下品サイコー。 錚々…

完遂

洋服を買いに隣県までお出かけした。隣県とは言え位置関係上は2県の端と端、片道140kmの大遠征である。 我ながら殊勝な提案をしたものだと思う。定めし自宅会社本屋の三角飛びするという、生粋の出不精を有言実行しているものだから、年に数回、こうしてえ…

忘年会

今年も色々あった。 人が笑って、泣いて、時々怒って、新人が入ってきて、辞めて、また入って、そうして、忘年会である。 前にも書いた気がするが、私は、多少おおらかの質で、万事がどんぶり勘定というか、物覚えがよろしくない。人の顔と名前のいずれもテ…

エウレカ! そうか、そういうことか! ついに私はこの数日来悩まされてきた謎を解明した! 霧は晴れ、道理が残った。然して私は先の如く哮り、勝利の小躍りを披露したのである。欣喜雀躍と軽快なステップを踏んでいたところ、深夜だったので階下の母から逆咆…

クリスマス前夜

社会人になるとイベント感覚が鈍るのだろうか。今年はハロウィンも終わって初めて気づいたし、直前までクリスマスの存在を失念していた。12月の勤務希望を出すとき、それを偶然見ていた先輩が指摘して初めて気づく具合である。 社会人になるとこの手のイベン…

28歳妖艶論

中学三年生のとき、独自の研究を重ねた私は「28歳女性妖艶論」を説いた。要旨は以下のとおりである。 1.女性の魅力は28歳で最盛を迎える 2.この傾向は素材の良い人に著しい 3.なぜなら、私の好きな女優が軒並み28歳だからである この説は男子生徒の間…

無題

本を読むのが好きで、学生時代は講義にも出ず、古本屋ばかり顔を見せていた。ここで専門書教科書を読んでいれば後に苦労することも無かったのだろうが、不真面目な私は小説や漫画ばかり次から次から買い漁るばかりで、少しも身に着かなかった。中には読まな…

好物しりとり

森見登美彦 私が森見登美彦氏の作品に触れたのは受験戦争真っ只中の高校三年生のとき、古本屋で見た「夜は短し歩けよ乙女」の第一ページの衝撃は今でも忘れない。よく角川文庫の巻末に創始者角川氏の文書が掲載されてあるが、硬派な文章を読む限り、この森見…

文体練習:倒置

今回は倒置法の練習をしたいと思う。 →今書きながら考えていることは、倒置法の文体練習をしてみようかということである。 最早ブログ(日記)でもないような気もしないでもないが、果たしてなぜこのような趣向に興じようと思い至ったのか、それは昨日、安吾…

日本画の出会い

京都細見美術館での春画展、これは数年前の冬のことである。 文化博物館での肉筆浮世絵展、これは昨年の夏、行った。 萩美術館での常設展、春先の暖かい時候だった。 意外や意外、書き出してみると、浮世絵を見に出かけるのは以来4度目になるらしい。趣味:…

ウケる男、山椒魚

A「えー? 山椒魚さんって28歳なんですか」 山椒魚『そのようです』 A「平成三年? タメじゃん」 山椒魚『そうみたいですね』 A「えホントに? やばいやばい」 山椒魚『やばいですか』 A「うん。やばい。ウケる! てかなんで敬語なの?」 山椒魚『ウケる…

優雅な賢者的生活

賢者の朝は早い。 朝は4時に起床、草木も眠る静寂の中、身を起こす。冬の冷気を帯びた室内に皮膚が粟立つ。室内は暗い。 そういえば今日は日曜だと思い出す。今しがたの起床は間違いである、これは二度寝する必要があるなと判断する。夢の中に再度落ちてい…

クリスマス→忘年会のコンボは憂鬱

またこの時期がやってきた。 サンタはトナカイに乗って遠征してくる。 サラリーマンは酒に乗じて一年分貯め込んだストレスを放出する。 ただし魔法は尻からでる。 最近はクリスマスだからといって妙なテンションになる人間も減ってきたように思う。みな大人…

映画「すみっコぐらし」を観る

いま、映画「すみっコぐらし」が世を騒がせているらしい(遅い)。 ニュースによれば、元々子ども向け映画として制作されたものが、年齢の垣根を超え、当初の予想以上に親世代を直撃、彼らの琴線をボロンボロン鳴らしているという。 子どもではないし親でも…

記憶力が悪い

だいたいがいい加減な性格をしているからか分からないが、憚りながら、私は物覚えが悪い。すぐ忘れる。私の頭の消しゴムの凄まじさたるや。 努力はした。音読に書き取り、単語カードにCDと、手を替え品を替え色々試した。そこは認めるべきである。しかしいく…