賢者の日記

賢者の日記

齢20と幾年、穴から出られなくなった山椒魚が思った事を記す。

忘年会

今年も色々あった。

人が笑って、泣いて、時々怒って、新人が入ってきて、辞めて、また入って、そうして、忘年会である。

 前にも書いた気がするが、私は、多少おおらかの質で、万事がどんぶり勘定というか、物覚えがよろしくない。人の顔と名前のいずれもテンで覚えられないし、地理だって頭に残らない。初めて通る道だと思って恐る恐る運転していたら、反対方向から見た生活路と判明して拍子抜けしたということが少なくない。それで人からいい加減にしてくれだの、都合がいいだのとよく呆れられる。遺失物もする。だから平日の朝など、キーを捜索する時間まで勘定に入れて目覚ましを設定するようにしている。

 その年を忘れると書いて忘年会。

 忘れるということ。それは、物忘れ、認知症、健忘症など、負の単語と撞着しがちだけれども、世間で言われる程には、私は、悪いことではないと思う。

 人は皆、良いことと悪いこと、公平に忘れる。恐らくそれは、食べ物の消化されるのと同じ事。忘れた様でも、普段の生活のなかで、夢の中の風景が時折浮かんでくるように、それらは私の深い部分で残って、共鳴し、作用する。

 過去にあった、又はあったかもしれない全ての事柄に対して。

 

 今年一年お世話になりました。来年もまた宜しくお願いします。